起業家の皆様へ

2021年7月15日(木)

起業家の皆様へ

仙台市雇用労働相談センター
センター長 白幡 洋一

私が仙台市雇用労働センター(以下仙台ELCC)のセンター長を仰せつかってから、今年で5年目を迎えます。最初にお話しを戴いた時は、(公財)みやぎ産業振興機構のシニアアドバイザーとして週二日から三日ほど、県内中小企業や起業家そしてスタートアップ企業の各種相談対応を、年間延べで80~100社程度させて戴いておりますましたので、その経験を買われたのかと思いました。

(公財)みやぎ産業振興機構には、企業を定年退職した2008年4月からお世話になりました。仕事の上でのタイトルは何度か変わりましたが、基本は中小企業の相談対応です。企業での就労経験が役に立ったかというより、逆に多くの学びの機会を戴きました。数年たって、この仕事の面白みに改めて気づいた時に、私が使い始めた言葉が、「頼まれ時が、試され時。頼まれ時が、学びの時」の言葉です。そしてモットーと言うか、仕事で自分自身が目指すものを「虚往実帰」(虚しき行きて、満ちて帰る)と決めました。これは、かの空海が中国で師として学んだ恵果を讃えた言葉で、「荘子」にあるそうです。当然、相談に来られる経営者や創業者の期待に応えるのは、そう簡単だとは思いません。ただ、「駆け込み寺」的に気軽に来て戴いて、少しは心満ちて帰って戴くために、努力し精進しようとの覚悟でした。

拙い私の思いを述べてしまいましたが、仙台ELCCでの私の仕事は、プレイヤーではなく、バックオフイスです。プレイヤーとしては、ご協力戴いている優秀で経験豊富な弁護士、社会保険労務士の方々がおられます。が、意を配るべきは、仙台市、仙台市産業振興事業団(アシ☆スタ)、厚労省など関係機関との連携に積極的にコミットし、そこからのご指摘や学びそして気付きを、事務局の方々と知恵を出し合い、仙台ELCCの門を叩く方々の、期待に応える運営方法に進化させることだと、改めて認識しております。この仙台市を、ベンチャー企業、グローバル企業の創業そして成長のメッカにしたい。その思いを常に持ち続けて、センター長の役割りを果たしていければと、考えております。

 



仙台市雇用労働相談センター
センター長 白幡 洋一

  • 公益財団法人みやぎ産業振興機構 トップマネジメントアドバイザー
  • 一般社団法人みやぎ工業会 副理事長
  • NPO法人仙南広域工業会理事長
  • 仙台市雇用労働相談センター センター長

公益財団法人みやぎ産業振興機構のトップマネジメントアドバイザーとして、12年間にわたり約800社を超す、スタートアップ・中小企業の経営支援等を行い、またこれらの経験を横展開することをライフワークとしている。
リコーグループの経営者を長年務めた経験をもとに、経済活性化の一端を担えるよう仙台ELCCセンター長として取り組んでいる。

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