改正育児介護休業法のポイント

2023年1月5日(木)

改正育児介護休業法のポイント

育児介護休業法が令和3年に改正されていますが、これに対応する社内整備はお済みでしょうか。主な改正概要は以下の通りです。併せて社内整備等の参考になる資料や動画もご紹介いたします。

 

【雇用環境整備、個別周知・意向確認の措置の義務化】《令和4年4月1日施行》

~育児休業を取得しやすい雇用環境の整備について~

育児休業、産後パパ育休の申出が円滑に行われるようにするため、事業主は以下のいずれかの措置をすることが義務づけられました。

    • 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施

参考動画:知っておきたい育児介護休業法(育児編ダイジェスト) 厚生労働省
https://www.youtube.com/watch?v=OOzzrIPMIVk&t=7s

    • 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口の設置)
    • 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休の取得の事例収集・提供

参考資料:事例紹介、制度・周知ポスター例 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html

    • 自社の労働者への育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

参考資料・動画:イクメンプロジェクト 厚生労働省
https://ikumen-project.mhlw.go.jp/company/training/

~妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出労働者に対する個別の周知・意向確認の措置~

本人または配偶者の妊娠・出産等の申し出た労働者に対して、事業主に育児休業制度等に関する以下の①~④の全ての事項の周知と休業の取得意向の確認を面談、書面交付、(労働者の希望によりFAX、電子メール可)のいずれかの方法で個別に行うことが義務づけられました。

    • 育児休業・産後パパ育休に関する制度
    • 育児休業・産後パパ育休の申し出先
    • 育児休業給付に関すること
    • 労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取扱い

 参考資料:周知資料例 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html

 

【有期雇用労働者の育児・介護取得要件の緩和】《令和4年4月1日施行》

「引き続き雇用された期間が1年以上」の要件について、無期雇用者と同じ扱い(引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外可)となりました。

【産後パパ育休(出生時育児休業)の創設】《令和4年10月1日施行》

対象期間・取得可能日数:子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能

申し出期限:原則休業の2週間前(環境整備等+労使協定締結⇒1か月前)

分割取得:2回まで分割取得可能(2回取得する場合は、2回まとめての申し出が必要。)

休業中の就業:労使協定の締結がある場合、労働者の個別合意の範囲内で就業が可能(就業日数には上限あり)

 

【育児休業の分割取得】《令和4年10月1日施行》

分割取得:育児休業は2回まで分割可能(取得時にそれぞれ申し出)

休業中の就業:原則就業不可

1歳以降の延長:育児開始日を柔軟化(1~1.5歳、1.5~2歳の各期間途中で配偶者との育児休業の交代可)

1歳以降の再取得:特別な事象がある場合に限り再取得可能

 

【育児休業取得状況の公表の義務付け】《令和5年4月1日施行》

常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主は、育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務づけられます。

 

改正の概要は以上です。改正に伴い、就業規則(育児・介護関連)の変更や労使協定の締結が必要となりますが、こちらの対応はお済みでしょうか。
最後に規定例、協定例、チェックリストをご紹介いたします。

様式(育児・介護休業法関係) 宮城労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/1/120/122/12263.html

改正育児介護休業法への対応チェックリスト 香川労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/banner/child.html

 

育児介護休業法改正に対応する社内整備で、不安に思うこと、お困りのことがありましたらお気軽に仙台市雇用労働相談センターをご活用ください。


特定社会保険労務士 廣田 恵子(社会保険労務士法人めぐみ事務所)
仙台市雇用労働相談センター相談員

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